二百数十万の在留外国人が暮らす現代の日本において、地域社会の多文化共生に関与する有力なアクターの一つとしての宗教の可能性とその課題について、社会学や文化人類学の立場による社会調査の成果をもとに、多面的に検討・分析していく。
まえがき
序章 「宗教と多文化共生」研究が目指すもの[白波瀬達也・高橋典史]
1.はじめに
2.欧米社会における移民と宗教の関係性
3.多文化共生の問題からみる日本の宗教状況
4.本書の目的と概要
第1章 カトリックにおける重層的な移民支援[白波瀬達也]
1.はじめに
2.進行するマルチエスニック化
3.組織理念としての移民との共生
4.多文化共生の拠点としてのカトリック教会
5.移民支援の系譜
6.重層的な移民支援
7.おわりに
第2章 カトリック教会による宗教組織内〈多文化共生〉を目指す試み――在日ブラジル人の場合[星野壮]
1.はじめに
2.在日ブラジル人社会における宗教
3.在日ブラジル人に関わるカトリック教会
4.長崎巡礼と移民100周年祭のインパクト
5.エスニックなイベントの両義性?
6.不況のなかでの宗教組織外〈多文化共生〉
7.おわりに
第3章 日本におけるインドシナ難民の地域定住と宗教の関わり――ベトナム難民の事例を中心に[高橋典史]
1.はじめに
2.冷戦下の西側諸国におけるインドシナ難民の受け入れ
3.日本のインドシナ難民の受け入れと宗教界
4.ベトナム難民の地域定住における宗教の役割
5.おわりに
第4章 異文化をつなぐカトリックの媒介力――神戸市・たかとり教会の事例から[野上恵美]
1.はじめに
2.国内外におけるベトナム系移住者の宗教
3.カトリックたかとり教会の概要
4.教会にキリスト像が設置された経緯
5.地域社会とつながるカトリック教会
6.おわりに
第5章 高齢化問題に取り組む韓国系キリスト教会――大阪市・在日コリアン集住地域を事例に[荻翔一]
1.はじめに
2.在日コリアンの歴史と宗教
3.調査対象の地